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【C4C】コミュニティ・4・チルドレン 宮城での活動記録

宮城県内における、地域一体で取り組む福祉・防災学習の情報を発信します。

【活動レポート】「これからの福祉学習・防災学習を考えるつどい」を開催しました。

 C4Cが宮城県における「地域一体で取り組む防災・福祉学習推進事業」をスタートさせてから、もうすぐ3年目に入ります。
 新しい年度を迎えるにあたり、特にこれまでの2年間でご一緒に事業に取り組ませていただいた県内社会福祉協議会の職員の皆さんに呼びかけを行い、有志による情報交換会として、4月27日(日)仙台市内にて「これからの福祉学習・防災学習について考えるつどい」を開催しました。
 
 当日は、県内8つの社会福祉協議会から10人の職員さんがご参加くださいました。
 初対面の方もいらっしゃったため最初に自己紹介をしたあと、「今年度予定している福祉学習に関する事業」「事業を実施するうえでの重点目標やテーマ」この2つを紙に書き、一人ずつ、紹介していきました。
 
 事業内容は、夏休みのボランティア体験、学校における出前講座や指定校制度、福祉作文の募集、遊び場の運営などの子どもを対象としたものから、大人を対象とした地域福祉・地域防災講座、企業での研修、福祉教育サポーターの養成、指定校の実践報告研究会開催などなど…。それぞれの地域において長年取り組まれてきたものから、震災によって新しくうまれたものまで、さまざまな取り組みが紹介されました。

 また、「事業を実施するうえでの重点目標やテーマ」については、以下のような声があがりました。
・誰もが地域の一員として、地域を知る福祉教育をめざす
・次世代の地域の担い手を育てる
・地域・学校・企業との連携を深める
・これまでの取り組みをまとめて成果物として発信したい
・継続性をもたせる
・目標やプロセスを大切にする
・防災もテーマのひとつに取り入れたい
・「地域をよくする手段」として福祉教育をとらえ直す

 「東日本大震災の発生により、当時の経験から、これまで取り組んできた地域福祉をあらためて見直したい」…このような声が県内各地できかれる今、福祉のこころを育み暮らしを考える福祉学習について、皆さんと改めてじっくり考える機会を作れたことで、次への一歩を踏み出すきっかけになったのではないかと感じています。
 このような機会を今後も設けていきながら、県内外で福祉学習・防災学習に取り組む皆さんとの交流が今後さらに活発になるよう、目指していきたいと思います。
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【活動レポート】岩沼市立岩沼南小学校で「障がい者や高齢者の生活体験」を行いました。

 12月17日に同小学校で実施した福祉の授業( http://c4cmiyagi.blog.fc2.com/blog-entry-14.html )の第二弾として、2月25日(火)、体に障がいのある方やお年寄りの生活を体験してみよう!という授業を、C4C菅原が講師として行いました。
 当日は5年生3クラスがクラス毎に調理室に入り、生活グループにわかれて料理体験をしました。調理中、聞こえない(耳栓をする)、片腕を使えない、しゃべれない、といった障がい擬似体験を一人ひとりがしました。障がいがあるからできない…ではなく、障がいのある人も大人も子どもも、力を合わせればいろんなことができる、ということを伝えたかったこの授業。始まるまではドキドキでしたが、いざ調理が始まると、片腕が使えない生徒にしゃべれない生徒が無言ながらも優しくサポートしていたり、耳の聞こえない生徒にジェスチャーで調理方法を伝えていたり…自然と助け合う姿をあちらこちらで見ることができました。
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 この日、作ったメニューは「おさつdeみたらし」。さつまいものお団子にみたらしあんをかけるおやつメニューです。実はこのメニュー、サバイバルクッキングのレシピ本に載っているものです。調理過程にポリ袋を使ったり、ラップを使ったりといった工夫がされています。また、食物アレルギーのある子どもでもおいしく食べられるよう食材にも工夫がされています。災害時の助け合いについても伝えたく、このメニューをえらびました。
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 みたらしあんを作るのに苦労していたグループもありましたが、試食の際は完成を喜びながら、おいしい!と笑顔で食べていたのが印象的でした。
 実習後、とある担任の先生から、「障がい者や高齢者の暮らしを知るだけでなく、生徒たちの普段の学校生活にも活きる思いやりや助け合いの心を育む時間になったと思います。」という感想をいただきました。生徒と一緒に試食をしたときには、「私のお母さんも福祉のお仕事をしているんだよ」と話してくれた子や、「この仕事をしていて良かったことってなんですか?」と質問してくれた子がいました。
 子どもたちにとって、「福祉」というものが以前より少しでも身近になってくれていたらうれしいです。

【活動レポート】岩沼市社会福祉協議会主催「市民福祉講座『明日の福祉をになう子どもたち』」

 2月8日(土)、岩沼市社会福祉協議会市民福祉講座「明日の福祉をになう子どもたち」が開催され、岩沼市立玉浦中学校・大河原町立大河原中学校・盈進中学高等学校(広島県)による地域活動・復興支援活動の活動報告が行われました。市内の地域活動に取り組む方々、学校の先生、県内社協職員など50人程が参加しました。
 この日、C4C菅原は、基調報告と中高生による活動報告のコーディネーターを務めました。

 最初の基調報告では、「地域は子どものために 子どもは地域のために~普段の暮らしの幸せをかなえる防災・福祉学習に向けて~」というテーマで、C4C菅原より、震災後の宮城の子どもたちがおかれている状況を改めてお伝えし、宮城県内各地・岩沼市内で取り組まれている防災・福祉学習の実践事例をご紹介しました。
 岩沼市内の小中学校で社協とともに取り組んできた実践をご紹介した際には、岩沼市立玉浦中学校で取り組んだ「地域助け合いゲーム」( http://c4cmiyagi.blog.fc2.com/blog-entry-10.html )を会場の皆さんにも体験していただきました。玉浦中学校の生徒さんには、デモンストレーションをお手伝いいただきました。
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 ゲームを体験した方からは、早速「地区の皆とやってみたいのでカードを借りたい」というお声もありました。

 後半は、「伝えたい!その時の気持ちと活動・そして今の思い」というテーマで、岩沼市内で地域活動・復興支援活動に取り組む中高生からの活動報告がありました。C4C菅原がコーディネーターを務め、発表した生徒への質問や、会場の参加者とのやりとりなどを行いました。
 岩沼市立玉浦中学校からは、学校を会場とした市総合防災訓練の様子、学校で取り組んできた福祉の授業、そして「震災後岩沼がお世話になった分の恩返しをしたい」と、個人として県外での水害ボランティアや雪かきボランティアに参加しているという生徒からの報告もありました。
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 大河原町立大河原中学校からは、復興支援特別委員会を立ち上げて取り組んでいる岩沼の仮設住宅でのボランティア活動の様子や、大河原中学校ボランティアセンターとしての町内での取り組みについての報告がありました。「最初はボランティアである自分たちが地域のために何かをしてあげなければと思っていたけれど、岩沼に通っていて、地域の方と一緒になって考えて行動することが大切なんだと気づくことができました。」こう話す生徒の笑顔はとても輝いてみえました。
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 広島県から、この報告のために駆け付けてくれた盈進中学・高等学校ヒューマンライツ部の皆さんは、岩沼や福島での復興支援活動の様子、広島での平和活動の様子について報告されました。また、3年前に東北での活動を立ち上げ、現在は東京で防災を学ぶ卒業生も駆けつけ、次なる災害に備えることへの想いを語ってくれました。

 会場の皆さんは、一つひとつの報告に熱心に耳を傾けてくださっていました。すべての報告が終わったあとは、10年後(この中高生が大人になったときに)、私たちのまちをどんなまちにしていきたいか?そのためにできることは?というテーマで会場の皆さんから想いを語っていただきました。
 また、終了後はオプション企画として車座トークも設けられ、参加してくださった皆さんと、感想などを語り合いました。発表してくれた中高生は「他校の取り組みも知ることができてよかった」、参加した大人からは「私たちもがんばろうと思う」というお話があり、岩沼のよりよい未来づくりに取り組んでいく仲間として、この日集まってくださった皆さんが、お互いに良い刺激を受けた様子でした。

 昨年から、岩沼市社協の職員さんと、「震災後、ずっと岩沼に通って支援を続けてくれている中高生がいるので、中高生どうしがお互いの活動を知り合ったり、市民の皆さんに彼らの取り組みを伝えたりする機会を作りたいね」と話していたことが実現したこの企画。この日はあいにくの大雪となりましたが、社協の皆さんとのチームワークのもと、心あたたまる一日をすごすことができました。ありがとうございました。

【活動レポート】美里町社会福祉協議会主催「サロンサポーターフォローアップ研修会」

 1月27日(月)、美里町社会福祉協議会主催のサロンサポーターフォローアップ研修会が開催されました。
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 この研修会は、社協がこれまで養成してきたサロンサポーター(62人:初級33人 上級29人)のスキルアップや情報交換をはかる目的で開催され、全3回の予定で行われます。この日は1回目。午前中に、情報交換やこれから取り組んでみたいことなどを語り合う「しゃべり場」が開かれたあと、社協の職員さんが作ってくださったおいしいカレーをいただきました。午後はC4C菅原が講師として、「足湯体験」をみなさんに紹介しました。
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 足湯というと、温泉街のものをイメージされる方が多いと思われますが、今回取り組んでいただいた足湯はたらいにお湯をはり一人でつかる方法で、東洋医学が発祥です。
 あったかいお湯に足をつけていただきながらボランティアが手や腕のマッサージをし、体をほぐしながらおしゃべりをします。
 一人ひとりとのコミュニケーションを大切にすることができるため、参加されたサロンサポーターさんからは、「サロンに参加する方は人とおしゃべりをしたい方。でも、大勢いると遠慮して聞き役に回ってしまう方もいるので、この方法を取り入れると一人ひとりと十分に向き合うことができますね」というお話もききました。また、民生委員もされている方からは、個別訪問の際にも取り組んでみたい、というアイディアもありました。
 全員に足湯につかっていただいたので、最後は皆さんぽかぽか笑顔で帰っていかれました。これからも、地域に住まうお一人おひとりに向き合う活動をじっくりと続けていただけたらと思います。