当日は5年生3クラスがクラス毎に調理室に入り、生活グループにわかれて料理体験をしました。調理中、聞こえない(耳栓をする)、片腕を使えない、しゃべれない、といった障がい擬似体験を一人ひとりがしました。障がいがあるからできない…ではなく、障がいのある人も大人も子どもも、力を合わせればいろんなことができる、ということを伝えたかったこの授業。始まるまではドキドキでしたが、いざ調理が始まると、片腕が使えない生徒にしゃべれない生徒が無言ながらも優しくサポートしていたり、耳の聞こえない生徒にジェスチャーで調理方法を伝えていたり…自然と助け合う姿をあちらこちらで見ることができました。

この日、作ったメニューは「おさつdeみたらし」。さつまいものお団子にみたらしあんをかけるおやつメニューです。実はこのメニュー、サバイバルクッキングのレシピ本に載っているものです。調理過程にポリ袋を使ったり、ラップを使ったりといった工夫がされています。また、食物アレルギーのある子どもでもおいしく食べられるよう食材にも工夫がされています。災害時の助け合いについても伝えたく、このメニューをえらびました。

みたらしあんを作るのに苦労していたグループもありましたが、試食の際は完成を喜びながら、おいしい!と笑顔で食べていたのが印象的でした。
実習後、とある担任の先生から、「障がい者や高齢者の暮らしを知るだけでなく、生徒たちの普段の学校生活にも活きる思いやりや助け合いの心を育む時間になったと思います。」という感想をいただきました。生徒と一緒に試食をしたときには、「私のお母さんも福祉のお仕事をしているんだよ」と話してくれた子や、「この仕事をしていて良かったことってなんですか?」と質問してくれた子がいました。
子どもたちにとって、「福祉」というものが以前より少しでも身近になってくれていたらうれしいです。